2015年03月19日

キバナシロタンポポ考

「キバナシロタンポポ」という名は当時東京大学教授の小泉秀雄が昭和9年(1934年)5月25日に「日本産たんぽぽ属ノ研究(其五)」(「植物研究雑誌」 10(5):305-318)で最初に使用したものである。「硫黄色」の花を「キバナ」(黄花)と表現したことは確実である。事実、艶消しの黄色をしたキバナシロタンポポの花は「硫黄色」で表現できる黄色系の花である。セイヨウ(西洋)タンポポの原色の黄色やカントウ(関東)タンポポのけばけばしくはない黄色に比べると上品な黄色であり、侘び寂びの文化のある日本に合う色合いである。
 しかし、「キバナシロタンポポ」という名を目にして誰もが抱く不信感がある。「キバナ」(黄花)と「シロタンポポ」(白タンポポ)の造語であり、何でこんな訳の分からない名前を付けたのだろうか?ということだ。私は発行された植物研究雑誌の目次をWebで調べることはできたが、中を読んだ訳ではない。記載されている内容については推測するしかすべはないのだが、実生や栄養繁殖では殖やすことができなかったのではないか?シロバナタンポポの同株か別株に出現するキバナ(黄花)で、この一代限りのキバナ(黄色)タンポポであったのであるまいか?いわゆる個体変異の株や花芽である。したがって、高々80年余り経った現在では小泉博士伝来とされるキバナシロタンポポは残っていないと考える方が理解し易い。
 一方、私が秋咲きシロバナ(白花)タンポポを栽培中に発生したキバナ(黄花)の株は突然変異種であり、実生株で殖やすことができ、おそらくは栄養繁殖(株分は確認済、根分は未確認)でも殖やすことができるであろう。すなわち、タンポポでは最も有り振れた形態の種である。また、秋咲きの性質も受け継がれている。したがって、小泉博士が名付けた「キバナシロタンポポ」とは別品種とすべきである。
 園芸品種「ヨコハマ(横浜)タンポポ」と命名する。すなわち、「秋咲きシロバナ(白花)タンポポ(これはカマクラ(鎌倉)タンポポに改称)の突然変異種で、9月から6月の開花期間を持ち、硫黄色の上品な黄色の花を付ける。」と定義される。なお、秋咲きシロバナ(白花)タンポポはカマクラ(鎌倉)タンポポに改称した。
 これで、同一株にキバナ(黄花)やシロバナ(白名)を付けたりするが、実生や栄養繁殖では殖やせないものをキバナシロタンポポと改めて定義する。したがって、1輪目にキバナ(黄花)、2輪目にシロバナ(白名)、3輪目にキバナ(黄花)‥を付けた株は、「ヨコハマ(横浜)タンポポ」からはほど遠く、明らかにキバナシロタンポポかそれに近いものである。

キバナシロタンポポ考

          ヨコハマ(横浜)タンポポ

キバナシロタンポポ考

          カマクラ(鎌倉)タンポポ

キバナシロタンポポ考
          キバナシロタンポポ



Posted by noramta at 15:09│Comments(3)
この記事へのコメント
「キバナシロタンポポ」の写真は?
粗雑な感じは手作り弁当か?
Posted by ドクターキムル at 2015年04月24日 17:55
出たよ、ドクターキムル。所持している理工学博士号だけが自慢で、世の中の人間は博士号を持っているエリートとその他一般の二種類に分けられると思っている単純な権威主義者。
「粗雑な感じは手作り弁当か?」って相変わらず、他人のブログに嫌がらせかよ。懲りないやつだな。
そんなことばかりしているから、貴様をアクセス拒否しているブログや掲示板が数知れずになっているんだろう。

ところで相変わらず、フォートラベルで、素人の歴史雑学を歴史家気取りで語る旅行日記でマイル乞食やってんのか?
もうあんたも年なんだから、無理すんなよ。
Posted by ドクターキムル? at 2016年08月03日 23:54
ブログ主へ。
ドクターキムルのブログを転載しておきながら、写真を入れ替えているので困っています。写真を正しいものに替えてください。

ドクターキムル?へ
悪意のある中傷は止めてください。ブログ主へはこのコメントを削除してくださるか、このブログ自体を削除してくださるかお願いします。
Posted by ドクターキムル at 2016年08月11日 16:25
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